海藻で大気中のCO2を吸収し、新たなCO2吸収源として注目が集まる

大気中のCO2が海に吸収され、海底や水中生物などに貯蔵された炭素を「ブルーカーボン」と呼ばれる。海底に貯留された炭素は数千年単位で貯留し、地球全体では年間1.9億~2.4億トンの炭素が貯留されると推定される。国内では大型海藻がCO2を吸収し、難分解性有機物として海中に炭素貯留する場合は、年間132万トンCO2削減と推計される。近年、ブルーカーボンに関する科学的な知見や実証実験、カーボンクレジット認証の構築は、顕著に増加している。

Source: ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)


海外動向:

CATIE (Centro Agronómico Tropical de Investigación y Enseñanza、熱帯農業研究・高等教育センター)は、中南米でブルーカーボンの政策開発を始め、科学・政治アドバイスサービスを行っている。現在、パナマ、コスタリカ、ホンジュラス、エルサルバドルにおける一連のプロジェクトにおいて、ブルーカーボンの実証実験を実施している。


Source: https://panorama.solutions/en/solution/blue-carbon-z-small-projects-policy-development

映像:Carbon stocks in Costa Rica mangroves, https://vimeo.com/104913448 


国内動向:

Jブルークレジットは、ブルーカーボン生態系のCO2吸収源としての役割その他の沿岸域・海洋における気候変動緩和と気候変動適応へ向けた取組みを加速すべく、あらたなクレジットとしての「Jブルークレジット®」の審査認証・発行へ向けた制度設計等に関する研究開発を実施している。


事例紹介:

プロジェック:山口県漁業協同組合の「大島干潟から、つながる周南市ブルーカーボンプロジェクト in 徳山下松港」

申請対象期間:2020年10月6日から2021年10月5日まで(1年間)

申請吸収量:72.6 [t-CO2](内訳:アマモ 56.2 [t-CO2]、コアマモ 16.4 [t-CO2])

認証・発行クレジット量:44.3 [t-CO2]

引用:大島干潟から、つながる周南市ブルーカーボンプロジェクト in 徳山下松港


他の国内事例:

横浜市漁業協同組合「多様な主体が連携した横浜港における藻場づくり活動」

兵庫漁業協同組合「兵庫運河の藻場・干潟と生きもの生息場づくり」

電源開発株式会社「J-Power若松総合事業所周辺護岸に設置した ブロックによる藻場造成プロジェクト」


最後に

グリーンカーボンの場合は、土壌で空気中の酸素に触れるため、有機炭素は数十年単位で分解が進行する。それに対して海底泥内の有機炭素(ブルーカーボン)は、数千年もの時間をかけて徐々に分解が進行することになる。CO2回帰リスクは植林等の吸収プロジェクトより低い、持続性が長いと言われる。 また、藻場造成により、生物多様性の向上、生物資源の増大、地域コミュニティの再生に貢献できる。それらの理由から、近年新たなCO2吸収源として注目を集めている。