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革新ビジネスモデルで注目を集めるアパレル企業「パンゲア」のカーボンオフセットへの取組み

2018年に設立されたパンゲア(PANGAIA)は、Earth Positive を使命とするマテリアルサイエンスカンパニーであり、ファッション・アパレル業界の環境問題を、革新的な技術と持続可能な素材によって解決することを目指している。具体的には、気候変動に配慮した製品作りを取り入れ、デザインから生産まで環境への影響を抑えた製品作りに注力している。

同社はライフサイクルアセスメント(LCA)により製品のカーボンフットプリント(CO2排出量)を測定し、サプライヤーと連携して排出量の削減に取り組んでいる。さらに、どうしても削減できないCO2排出量をカーボンクレジットの購入によってオフセットし、植林事業への支援を行っている。

自社の事業運営は313トンCO2を排出(2020年)

パンゲアは事業運営上313トンの温室効果ガス(2020年)を排出し、自力で削減できない分はカーボンクレジットでオフセットした。購入したカーボンクレジットは、下記の生態系回復による気候変動の緩和と森林保護に貢献するプロジェクトに活用された。

プロジェクト名:

1. Southern Cardamom REDD+ (Reducing Emissions from Deforestation and Degradation) Project, Cambodia

2. Biak Region Mangrove Reforestation Project, West Papua, Indonesia

3. Kelp Forest Restoration, Palos Verdes, California, USA


Scope 1,2,3排出計算の詳細

同社の排出計算は下記の通り、

スコープ1:該当なし(自社研究開発施設と製造施設は現在調査中のため2020年の計算から除外、2021年に取り込む予定)。

スコープ2 :本社で使用する電気・ガス、リモートワークで使用する電気(ノートパソコン、照明器具)を対象に排出量を算出した。

スコープ3 : Slackやメール、ウェブサイト、荷物の送受信、出張(飛行機、鉄道、車、バス、ホテル宿泊など)、通勤交通(バス、車、鉄道、地下鉄)、製品の倉庫からの輸送などの業務に伴う排出量を算出した。


最後に

欧米では、パンゲアのように自社の事業活動をカーボンニュートラル化する取り組みが急増している。また消費者はパンゲアのような環境に配慮した取り組みを行なっている企業を応援しようという意識にシフトし始めている。こうしたカーボンオフセットの実施は、企業のSDG経営や環境貢献企業としてのPR効果をもたらし、また社会の脱炭素化を促進する。ビジネス面では、カーボンオフセットによる商品・サービスの差別化や顧客の囲い込み等のビジネス機会の獲得によって、企業の評価および売上の向上が期待できると考える。


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